現在、日本国内には約3万人弱の助産師が働いているといわれており、そのうちの300分の1である100人ほどが保健所で働いています。
 きっとこの記事を読んでいる人達が想像している助産師は、病院や助産院といった場所で分娩時に赤ちゃんを取り上げている姿ですよね。この数字を見ても分かるように、実際そっちの方が働いている数は多いのです。
 では、なぜ病院や助産院の方が人が多いのでしょうか?それは、やはり助産師といっても公務員という職種形態になるから。
 保健所などの地方自治体を含む行政機関では、その名の通り公務員となればとても働きやすい環境。お産の取り上げもないですからね。
 そしてお給料も安定した環境である事から、離職率・転職率も低くなるのだといいます。しかし、安定したお給料という事はそれに見合うスキルがやはり求められるという事。その為、新たに資格を取得したばかりの方がこういった公共の場に就職するのは、少々難しいともいえるようです。

 気になる仕事内容は、看護師資格で得られるもう1つの免許“保健師”の仕事とかぶる部分も多いのですが、主に母子手帳を交付したり、出産や育児に関する相談業務をします。
 「妊娠しました」と言って行くと、母子手帳や助成金手帳などをまとめた書類をくれる方がいますよね。それが助産師や保健師です。
 助産師は、女性の身体や妊娠・出産に関する知識や技術がとても豊富な存在。そこでそれを活かし、先述した事務業務のほか、妊娠中のお母さん達を対象にした母親学級、両親学級など、今から親になる彼らに対しマタニティヨガやストレッチ、身体のケアやマッサージ方法などの指導を行います。
 相談というのは、なにもお母さんの体の事だけではありません。出産は精神的にもかなり負担をかけ、気持ちが不安定になりがちです。そこで、妊娠と出産、育児に対する相談を受け付け、心身ともに安心して子供に向き合えるようサポートをしていくのです。
 特に産後は初めての事だらけに心が折れてしまうお母さんは多く、ひどくなると産後うつが発症します。そこで、助産師はそんなうつ状態になっていないかをあらゆる面からチェック、予防に努めます。
現場に比べればいくらか楽なんじゃない?と入職する方も多いようですが、しかし、先述した通りそこには豊富な専門知識と技術があってこそ。安易な気持ちで入職する事だけは絶対にやめましょう。

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